浮気(不貞行為)Q&A 5


Q9 過去の浮気は?


過去と言ってもその年月によって変わって来ます。1ヶ月前なのか又3年、或いは何十年も前の話なのか。
   
何十年も前に不貞があり、それを許してその後、平穏無事に暮らして居た場合。
急にその事を持ち出して離婚請求をしても、それを裁判所が認める事はかなり難しいでしょう。
   
もしも、現在違う事由(DVや借金、生活を著しく脅かす過度なギャンブル
等々)又は相手の違う異性と不貞を犯している場合等、その何十年も前の貞の事実を付け加えても離婚請求事由に少し重みを付ける程度でしょう。当然、当時の浮気相手への慰謝料請求も出来ません。
(不貞行為の消滅時効は、浮気相手を知ってから3年とされております)

年月が極端に過去のものでない場合には、たとえ許していたとしても、以来
その事が原因で夫婦関係が修復出来ない場合には離婚請求や慰謝料請求が出来ます。
   
諍いの絶えない苦痛を感じながら日々暮らしていかなければならい義務は
無いと考えます。



Q10 強姦の場合は?


妻が強姦された場合には勿論不貞や浮気とは根本的に性質が異なります。
不法行為に該当するのはその犯罪者だけで、妻には何ら落ち度はありません。
  
その事をもって夫が妻に対して嫌悪感を持ち続けても、夫側からの離婚請求は認められません。
しかし、そうなった場合には「婚姻を継続し難い重大な事由」ですので、夫婦間で話し合いそれでも分かり合えない場合には調停員等に相談する事が賢明でしょう。
また、夫が強姦した場合には、完全なる不貞行為なので離婚は認めらます。



Q11 浮気の復讐に浮気をしたら?


相手がしたから自分もしたと言う理屈は有りません。
「殴られたから殴り返してやった」
「家に火をつけられたから、相手の家も燃やしてっやった」
   
これらは報復・復讐の動機だけに過ぎず、ひとつの犯罪として法律で罰せられます。
この不貞行為も同じで、刑事罰こそ無いものの民事事件としては立派な不法行為ですので自分が受けた痛みと同一の報復をする為に、不貞行為と云う不法行為を犯す事は心情的には分からなくは有りませんが正しい選択ではありません。
   
殴られても、家に火をつけられても、不貞をされてもその報復はあくまでも法律に則り、司法の場へ委ねるしか有りません。
正しい手段、方法を良く理解し感情に流されずに物事を進めていけば、おのずと結果はついてくる筈です。